官庁訪問も最終回です。
官庁訪問に必要な準備は、一言でまとめると「情報の確保」です。
自分の情報、相手の情報、仲間の情報と3つに分かれます。
まず、自分の情報は「整理」です。俗に言う面接五大項目(①自己PR、②志望動機、③学生時代力を入れたこと、④最近関心を持った出来事、⑤趣味・特技)について準備しましょう。自分の20数年を30分で語らなければなりません。面接が10回あったとしても、わずか5時間です。
100準備して、2,3しか言えません。2,3しか準備していなかったら、2,3も言えません。
自分の「ネタ帳」を作りましょう。
学生時代力を入れたことは、学業とサークル等生活においてと、2つくらい用意しておきましょう。
趣味・特技が聞かれるのは、メンタルヘルス対策のためです。どうやってストレスを解消するかを、役所は知りたいのです。
次は、相手の情報は「比較」です。政策のネタ帳も作りましょう。論作文のネタにもなります。社会事情や役所の動き、政策等をまとめましょう。
HP、メルマガ、パンフレット、報道等は比較して見て下さい。比較することで、急所、推しがわかります。
例えば、近畿地方整備局なら、国土交通省、中・四国の地方整備局等、大阪市、京都市等各府県と比較しましょう。
パンフレットも穴が空くまで見ましょう。採用用以外のパンフレットも見ましょう。白書等も適宜参照しましょう。
報道も、地方版、地方紙までチェックしましょう。図書館に地方版があったりとか、ネットで地方版が閲覧できるでしょう。
最後は、仲間の情報を「獲得」しましょう。
日頃の友人のつきあいや、キャリアセンター、知り合い、OBあらゆるツテをたどって、他の学生がどこまで選考過程が進んでいるか把握しましょう。
各役所の官庁訪問の様子を特定し、キーパーソンを把握しましょう。
具体的に言うと、「もうX省は決まった」「Y省は現役しか取らない」「Aさんは人事権あり」といった類いの情報です。
5回にわたって、官庁訪問について述べました。
イメージは掴めたかなと思います。
大変は大変ですが、長くて2週間程度の短期決戦です。
大変なのは皆一緒なので、何とか耐えましょう。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)