「官庁訪問について(第4回)」~元公務員講師のコラム~

官庁訪問の話を続けます。
役所によって様々ですが、多いのは受験生部屋とは別に、人事当局のメンバーがいる部屋やコーナーがあるというパターンです(通称発射台)。
受験生部屋で名前を呼ばれると発射台に行って、そこで「次はこの部屋に行って」とか、職員との面接から帰ってくると「どういう話だったか」とか、「どう思ったか」とか聞かれます。この発射台での応答も、もちろん評価対象なので気合いを入れるように。
発射台で気を抜く受験生は多いですが、ここも勝負です。ということでテクニックとしては、職員との面接の部屋から発射台に直接帰るのではなくて、トイレにでも寄って職員と何を話したかとか、どう思ったかとか、しっかり整理しておく必要があると思われます。

発射台での指示は2種類あります。
一つは「~課のAさんのところに行って」というパターンです。
これは職場に直接お邪魔することになります。課のAさんのテーブルの横に補助席だしてもらうとか、課の応接室に通されます。面接みたいな応答もありえますし、人によっては「私はこういう仕事をしていて、こういう課題があって、君はどう思うか」等、今行っている業務の話をされる場合もああります。
このAさんも、人事課の息がかかっていて、同期では花形である場合が多いです。私の場合、ここで大蔵省の主査に会ったり(得難い経験だ)、通産省で国会答弁作成要領の裏側が聞けました。
もう一つは「(例)567号室のXさんのところに行って」というパターンです。
ここで567号室に行くと、緊迫したムードが漂っていて、Xさんがどっしり待ち構えていて、もろに面接です。ここに無防備で行ってはいけません。このXさんはキーパーソンである場合が多いです。
※キーパーソン:文字通り役所の採用過程において実権を握っている人のこと。各役所、各年度によって、ある程度共通している。大手予備校に行ったり、受験生で情報交換すると、誰がキーパーソンか把握できる。

官庁訪問のシビアな側面をお話しします。
1軍部屋と2軍部屋というくくりがあります。
文字通りの意味です。
1軍部屋は原則採用、1軍から漏れが出た場合2軍部屋からも採用という仕組みです。
役所はここが1軍部屋とか2軍部屋とか、そもそも2軍部屋があるのに2軍部屋の存在自体、「絶対に」受験生には漏らしません。
しかし、呼ばれた受験生が誰に会っているか、会った人の所属課、役職、年次、呼ばれるタイミング等で、自分の部屋が1軍部屋か2軍部屋かは、それとなくわかります。
「自分が2軍部屋にいる」とわかった時の気持ちは、何とも表現しがたいでしょう。
2軍部屋だとわかったら、その官庁を捨てて目のある官庁に切り替える等の選択を迫られることになります。

 

【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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