文系の学生に求められる力と言えば、エッセンスを作る力だと思います。
情報社会の中、情報は十分にあります。その大量の情報の中で、何が重要なのか、何が本質なのか、一言で言うと何なのか、まとめきる力のある人が求められます。
普段の勉強でも、数的処理・自然科学以外の科目では、歴史の流れであるとか、各国の地政学的位置であるとか、制度の存在理由とか、その科目のエッセンスをつかむことが重要です。
公務員の実務でも、書類が1日300通くらい自分の座席に来ます。その300通の書類の中で、自分にとって必要な情報は何なのかを見極めないと、家に帰れません。
また、一枚紙(いちまいがみ)というのを1年生は作成します。その課の課題とか、外務省だと担当する国1つに一枚紙を作ります。エジプトの一枚紙とかヨルダンの一枚紙とかを用意しているのです。この一枚紙を作る際にも、エッセンスを作る力が要求されます。
教養論文でも、エッセンスを作る力は見られます。800字~1200字で、その課題をまとめきる力です。
公務員試験の勉強を通じて、エッセンスを作る力を養いましょう。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)