これから大学のキャンパスや役所等で、受験者対象の説明会が行われるでしょう。その大学限定の説明会でないのであれば、他大学の説明会も積極的に参加した方がよいでしょう。
こういう説明会で出てくる役所側の人間は、「人事課の息がかかった」人間です。つまり、「将来えらくなるで!」ということです。
説明会で説明者は自分の入所年次、名前、経歴(~課にいて、~課にいて、~課にいて)、とずーっとしゃべりますが、これは全部メモして下さい。経歴は難しいかもしれませんが、可能な限りメモです。
公務員は「役人」、「役」の「人」なのです。「役」、つまり自分がどの課にいたか、どういうポジションにいて、どういう仕事をしたかがその人の役人としての全てを表します。
事情通が聞くと、その人の経歴を聞いただけで、この人は将来の副市長!とか、どうなるかがわかります。経歴は大事なのです。
名前が大事なのは、社会人として当然。一度名乗られた名前を失念した場合は、「失礼ですが」と言って、聞き直すのが日本社会のルールです。ため口きかない、とかそういうレベルです。
入省年次も大事。「何年入所の田中さん」とわかっていないと、お話しになりません。
服装は、指定に従っておけばよいでしょう。多数派に埋もれることです。こういうとこで、浮いちゃいけません。キャンパスならカジュアル、役所ならフォーマル、と一般論で言えますが、指示に従いましょう。
クールビズについては、最近ほぼクールビズです。クールビズ指定なのに、「俺は誠意見せるんだ!」と言ってスーツにネクタイで行くと、「わかっていない、指示を聞けない」とかえってマイナス評価されてしまいます。注意しましょう。
説明会に行くことによって、その役所が求めている一年生像が明確に分かります。ネットでは検索できません。会の雰囲気や説明者の物腰、内容等から、ライブで伝わるものがあります。そういうのはデジタルでは分かりません。昭和のアナログなのです。令和の情報化社会においても、そういうのが重要です。情報は足で稼ぐもの。説明会は、まさに現場です。現場重視、ライブ重視で情報は集めましょう。掲示板とかでは、足りないですよ。
国家系は人事院のメルマガに登録しとけば、必要な説明会の情報は入ってきます。地方自治体は、自治体のHP、メルマガやツイッター、大学の学生課のポスター等をこまめにチェックしましょう。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)