「庶務の方との人づきあい」~元公務員講師のコラム~

役所に入ると、皆さんは1年生。周りは皆先輩です。皆さんは大卒で入られると思いますが、高卒で役所に入られる方もいます。
概ね、庶務の方です。庶務の方は、会計的な仕事とか、備品の調達、文書の整理・回覧、電話対応等々、組織を下支えする仕事をされます。

皆さんは、この庶務の方とも、同じ職場を働く一員なんだと、そういう意識を持って仕事をして下さい。ゆめゆめ「私は大卒で、彼らは高卒だから」とか、そういう意識は絶対に持ってはいけません。
庶務の方があって、役所がまわっているのです。大卒の事務方が決めるのは、あくまで観念としての役所の仕事であり、観念を現実化するのが、庶務の方の仕事なのです。

また、庶務の方は1年生の仕事をよく見ています。私は役所時代電話対応で、「近ア(中近東アフリカ局)局長」と庶務の方が言ったのに、「経済局長」と聞き間違えて、いつの間にかその局全員の庶務の方に知られてしまい、会う人みんなに言われて閉口しました。
それくらい1年生はよく見られるし、庶務の方は皆さんを品定めしているんです。その意味でも、庶務の方との人付き合いは重要です。

年長の庶務の方は、人生経験も豊富で、話していて勉強になります。あけすけな話、役所での身の振り方等も、ポロっと教えてくれます。何より、世代の違う方との交流というのは、皆さんの人生を深いものにしてくれるでしょう。

 

【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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