憲法の人権ですね。教養試験を念頭に置きますが、専門科目の方にも参考になるような記述をしていきます。
条文では10条から40条です。
条文もそこそこ大事です。統治ほどの重要性はありませんが、できたら暗記です。特に人身の自由のところ(31条から40条)は、覚えた方がいいです。警察官志望の方は必須です。逮捕や捜査等の基準になるからです。
ただ、人権はやはり判例です。
ものすごく重要なのは、違憲判決を全部覚えろ!です。
憲法訴訟の構造を言います。原告(訴える方)は国民です。国民に何らかの憲法違反の国家行為(立法、処分等)が行われます。これに納得できない!と国民が国家(被告です)を訴えます。
つまり、違憲判決は国民が勝って、国家(公権力側)が負けたことになります。
憲法99条にある通り、憲法を守るのは国家であり、国民に憲法を守る必要はありません。国家が憲法を守り、国家が憲法に違反するのです。イチローがオフサイドしないように、国民は憲法違反できません。
そして、国家機関である裁判所が、同じ国家機関である国会、内閣に対して、違憲判決を出すことになります。
同じ国家なので、なかなか違憲判決は出しづらいです。
戦後ずっと判決というのは出ていますが(全部で数千?)、違憲判決は十数個しかありません。
この十数個を徹底的に覚えて、何か訳の分からない判決を聞かれたら全部合憲(憲法違反ではない、国家の勝ち、国民の負け)と考えるのが、非常に賢い切り抜け方です。
違憲判決が何かとか、理論的な枠組みとかは、私の授業でお話しします。
違憲判決十数個は、事案(どういう事件か)、判旨(判決の結論、言い回し)、判例の理由付けも含めて、徹底的に覚えて下さい。
違憲判決知らないなんて、受験生ではありえません。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)