「勉強と就活との兼ね合い」~元公務員講師のコラム~

公務員試験の勉強をしているけど、民間も視野に入れているという方も多いでしょう。
就活との兼ね合いについて、お話しします。

まずは、主従をはっきりさせることです。公務員と民間の二刀流の方で、こうなってはいけないというパターンは、公務員試験の勉強が進まないのを民間の就活のせいにして、民間の就活がうまくいかなかったら公務員があるさと開き直るパターンです。
要は、お互いがうまくいかないのを、お互いのせいにしてしまうパターンです。
このブログを読まれている方は、大概が公務員が主というパターンでしょう。民間が主なら、わざわざ苦しい手間のかかる公務員の勉強はされないでしょうから。
ただし、公務員にもSPIだけで受けられる職種・自治体も増えているので、その場合は公務員が従というのもありえるでしょう。
注意すべきなのは、SPIの職種・自治体は、競争率が非常に高いことです。100倍を超える場合もあります。公務員試験にしては、異例です。

公務員が主、民間が従という前提で、就活は業種を絞ってしまうことをお勧めします。警察志望の方なら警備会社関係や、自治体志望の方なら地元の金融機関等です。
業種とともに、創業年数も見た方がいいでしょう。目安は30年です。平成を切り抜けたか、というのが重要な視点です。
昭和の高成長から、平成の低成長の時代をしぶとく生き抜いた企業は信頼できます。ベンチャーは華やかなのですが、あまりにも創業年数が短い企業は、少し考えてみて下さい。

就活のメリットは、明らかに面接がうまくなることです。面接も、習うより慣れろという側面が、非常に強くあります。
民間で、厳しめの面接の場数を踏めるのは大きいです。民間と公務員の面接なら、民間の方がシビアでしょう。第一志望の公務員の前に、民間で練習できるのは有利です。
さらに、民間の内定が取れれば心理的に有利ですし、公務員の面接の時に、「この人は優秀だから民間が内定を出した」というアピールポイントにもなります。
就活のデメリットは、絶対的な勉強時間が少なくなることです。ここでも主従ははっきりさせなければなりません。公務員試験にはそれなりの勉強時間が必要です。
就活は何かしているようで、純粋な公務員試験の知識的には何のプラスにもなりません、いえ完全な純然たるマイナスです。そこは冷徹に見つめなければなりません。就活している自分に酔わないように。

公務員も就活も大変ですが、今後の80年の自分の人生が決まる大事なイベントです。

一生で一番の努力をここでしましょう。

 

【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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