「全体の部分化、数を数える」~元公務員講師のコラム~

夏休み以降の計画を立ててみたいところです。
計画をうまく立てることができない人は、公務員試験に求められる全体量の大きさにびっくりしてしまい、ただただ唖然としている人も多いでしょう。
まずは、全体量をできるだけ細かく細かく分けて、部分化してしまうことです。民法なら、総則、意思表示、代理といった具合に細かく考えることです。そして、それぞれのテキストのページや過去問数等、数字で数えて考えていくことが大事です。

以前も紹介しましたが、アメリカの経営学に、「数えられるものは管理できる」という言葉があります。
漠然と全体の大きさを怖がるのではなく、部分部分に砕いていって数えられる形にすると計画も立てやすいです。
そして、今の時点から本番までの日数も数えてみて(本番まであと300日とか)、自分が純粋に勉強できる日を計算して(どうしても外せないアルバイトやゼミの準備、卒論の準備に必要な日数を除く)、その日数を分母にして、先ほど計算したテキストのページや過去問数を分子にしてみましょう。
そうすれば、1日あたり何ページなり何問なり日々のペースが見えてくるはずです。
電卓を叩ける形で計画を考えることが大事です。迷ったら電卓を叩いてましょう。

計画にはある程度の遊びも必要です。1~2週間に1日は予備日を設けて、そこで進度を調節しましょう。こなせるようならば、ペースを上げてもいいし、ちょっとオーバーワーク気味ならペースを下げればよいです。
計画は守るためというより、合格とどれだけズレているかを知るために立てるものです。
まずは、全体を部分化してみること。テキストの1章や条文の1節等がいい目安になります。そして、数えられる形で考えること。この過程を踏めば、全体量の大きさに怯えることなく、しっかり計画を立てることができて、自分の勉強を管理できるはずです

 

 


【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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