「広く浅く速く」~元公務員講師のコラム~

公務員試験の勉強は、言わば「広く浅く速く」です。

公務員試験は範囲が膨大です。しかも公務員試験は実務家登用の要素が強い他の資格試験と違って、あくまで「公務員としての常識」を問う試験ですから、「実務」の縛りが無い分出題範囲が読めません。範囲は大げさでなく無限大(∞)です。

公務員試験の択一式というと、いわゆる大学入試センター試験を連想されるかもしれませんが、公務員試験はセンター試験より「広い」が「浅い」。センター試験は、社会つまり「人文科学」も理科つまり「自然科学」も1科目(多い人で2科目)勉強しますが、公務員試験は人文科学だけで、日本史・世界史・地理・思想・文学芸術と5科目もある。

ただし、「同じ人」が5科目も解くので、センター試験よりは「かなり」(授業で詳しく話します)手加減して作成されています。センター試験で日本史を勉強した方なら、公務員試験の日本史は楽勝です。ただ、世界史も地理も思想も文学・芸術もやらないといけません。このあたり、意識しておかないと独学では「狭く深く」に陥るので要注意です。

センター試験と公務員試験のもう一つの大きな違いは、センター試験は科目ごとに休憩があります。しかし公務員試験は教養科目、専門科目でまとめて試験があります。公務員試験では時間配分のミスは即失格。今日の公務員は忙しいです。

テキパキと仕事をこなす事務処理能力が強く求められています。試験ごとき処理できないような人間は、実務も処理できないと人事当局は判断するのです。ということで本番では実践的な時間配分が大事です。問題群をどう処理するか、「速い」処理手順を確立しなければなりません。また、問題一つをとっても(特に数的処理では)「速い」解法が必要です。

そして、膨大な勉強量をこなすためには、時間はかけていられません。日頃から「速く」勉強し理解し処理しないと試験範囲は終わりません。この意味でも「速い」勉強法が必要です。

「速い」処理手順+「速い」解法+「速い」勉強法は独学ではなかなか考案するのが難しいです。その必要性すら意識できないでしょう。この点でも独学の方は要注意です。

大学等の学内講座や公務員試験予備校に通うとは、「時間を買う」ことに他ならないのです。
ともあれ、公務員試験の勉強のキーワードは「広く浅く速く」です。

 

【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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