解法の話です。
正解になりやすい表現について、見てみましょう。
この解法について、本当にマスターしているかどうか、以下、文章理解の問題の選択肢だけ示します。
本文は敢えて載せませんから、選択肢の表現だけで考えてみて下さい。
1 学問や芸術においても、政治や経済と同様、無為は価値ではなく、無能と連結されても仕方のない言葉になっている。
2 学問や芸術のような文化的活動は、それ自体に価値があり、したがって、その休止自体も積極的意義を有することがある。
3 学問・芸術あるいは政治・経済といった文化的創造にとっては、ただ前へ前へと進むことよりも価値の蓄積が大切である。
4 学問や芸術にはその創造活動の源泉としての古典が存在し、この古典から逸脱した活動は価値を有しない。
5 学問や芸術においては、価値の蓄積が大切であり、したがって、瞑想、静閑、時には怠惰さえもしばしば生きた意味を持つ。
残り30秒で、この問題を見たとしましょう。
何番を選びますか。
いつも4番を選ぶから、4番!とか。
残念。
あなたは不合格組です。
執念が足りません。
この問題の場合は文末を見ましょう。
気づきましたか。
1番「言葉になっている。」
2番「有することがある。」
3番「大切である。」
4番「価値を有しない。」
5番「生きた意味を持つ。」
正解になりやすい表現は、そうですね、2番の「ことがある」です。
「ことがある」はぼんやり言葉で正解になりやすいです。
この問題の正解は2番です。
本文を読めば、確かに2番だとわかる人が多いでしょう。
しかし、本文を読む前に選択肢を見た段階で、2番に当たりをつけるべきです。
この問題は間違えてはいけない問題です。
言い方は悪いですが、こすっからい合格者はこういう問題は必ず得点します。
皆さんは、こういう問題で遅れを取らないように。
こういう問題とは、本文を読まなくても頭を使わなくても、テクニックで選択肢だけで答えが出る問題です。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)