一般の公務員の業界ではメジャーな概念ですが、普通の人は知らないという話に、官房と原課というのがあります。
官房は大臣直属です。地方自治体だと、市長や知事に直属です。官房というのは、どの役所にもあります。例えば、総務、人事、会計等です。
一方、原課というのはその役所の事業をする課です。官房以外の課と言ってもいいでしょう。外務省だと、各地域課や各機能課等です。
一般に、官房にいる人は将来偉くなります。ただ、原課も各役所によって、この課は名門とかあります。業界通が聞くと、この課に行ってあの課に行くと、将来はこのポジションになるとか、ピタリと当てることができます。
各役所によって、1年生が原課に行くか、官房に行くかは、様々です。ちなみに外務省は全員原課です。財務省は官房にも行くようです。原課の方が、その役所らしさは出るかなと思います。
私は幸いにも、官房と原課と両方経験することができました。官房では、組織全体を見なければならない、という原課にはない独特の注意が必要です。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)