今回は厳しい話をします。
しかし目指すべき試験の現実を教えるのも、講師の役割だと信じております。
将棋の羽生さんがこのような旨のことを言っています(正確な再現ではありません)。
「人の話を聞くのは二流の人。人の話を聞いて実行するのは一流の人。人の話を聞いて工夫して実行するのは超一流の人」。
私が授業でいろいろな勉強法やヒントになるようなことをアドバイスするのですが、講師の実感からすると、それを実行されるのは少数派です。
例えば、模試はテーマを持って受けなさい(この話はおいおいお話ししますね)と私が言っても、実行する人は少数派です。
公務員試験の傾向としては、志願者減+合格者増+科目負担減という大きな流れにあります。見通しとしては、受かりやすくはなります。しかし、この試験はたいがいの人は涙を呑む結果になるのです。「皆と同じ」ことをしていると、「あなた」も落ちるのです。皆と同じではダメなのです。
どこかで、他の人にはない努力、「そこまでする」かということをしなければ、この試験は合格させてもらえません。
私もそうでしたが、一生で一番勉強するのは、大抵の人の場合、公務員試験でしょう。
私は社会科学の授業で、「3年生の1月を過ぎたら、1日1回憲法の条文は全文から99条まで音読、これはノルマ!」と言います。憲法の条文はそのまま出るからです。教室中、ドン引きです。しかし、それでもやる人は社会科学は合格点です。「する」か「しない」か、だけなのです。
合格体験記には、その合格者の「そこまでした」ことが書いてあります。それができれば、羽生さんの言う一流の人で合格者、工夫してできれば、羽生さんの言う超一流の人で上位合格者&幹部候補生でしょう。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)