「マイナス1点でなく、そこで失った時間が痛い」~元公務員講師のコラム~

本試験の解答の心構えについての話です。
試験とは、時間を得点に変えることです。
時間が資源であって、試験において資源である時間を得点に変えるのです。

本試験においてマイナス1点というのは痛くありません。
そのマイナス1点に何分使ったのか、というのが本試験で取らなければならない考え方です。
1分で間違うのなら、マイナス1分です。
マイナス1分、マイナス1点ならば痛くも何ともありません。
5分も6分も使って、結局間違えたというのが一番痛いです。
そうです。

マイナス1点ではなくて、マイナス6分が痛いのです。

本試験で、この数的処理の問題はいかにも難解そうなので、見た瞬間に飛ばしましょうというのは、マイナス1点を覚悟するというよりは、時間の損失をマイナス30秒に留めておくという意味合いが強いです。
ここで稼いだ3分を、他の見込みのある問題に投入するのです。

本試験の1分は黄金の1分です。
効率良く得点に変えていきましょう。
その意味で、不可能ですが間違うなら1秒で間違えましょう。
そして3分で真っ当に問題が解けるように、実力をつけましょう。

普段の過去問の演習では、なかなか実践できない考え方なので、模試等で気をつけて実践してみて下さい。
模試は感染状況などが許せば、できるだけ会場受験を選んだ方がいいでしょう。
地方の方などで会場受験は難しいという方も、時間厳守、近くの図書館で受験するなどして、工夫して自宅受験を試してみましょう。
模試では、問題を解く順番、いかに時間に追われるかという経験をしておく、間にお昼休憩が入るのならお昼ご飯などどう休憩を過ごすかなど、試しておくべき要素はいっぱいあります。
締め切り、予算などが許せば、できるだけ模試を受験した方がよいでしょう。

 


【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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