「相手の好意を見抜く」~元公務員講師のコラム~

面接試験は自分と相手の間のコミュニケーションです。
自分が相手を見ていると同時に、相手も自分を見ているということも忘れてはいけません。
相手が自分をどう見てるかということも、把握しなければなりません。
自分からの一方通行で難しいとは思いますが、面接の上手い人は相手から見られているということも意識できています。

面接の相手が、こちらが知らない間に好意を示している場合もあります。
私が農林水産省に官庁訪問に行った時、「経済企画庁にどういう志望動機を言うんだ」と聞かれ、「日本の経済を通じて社会に関わりたい」と言うと、「つまらない志望動機だな」と酷評されます。
「農林水産省の志望動機は」と聞かれ、「世界を旅して、その国らしさは都市ではなく農村に現れる。農村を守ることを通じて、世界の中で日本らしさを守りたい」と言うと、「面白い志望動機だな」と言われるのです。
これは、その農林水産省の面接官が私に好意を示している徴とも取れます。こういうサインを見逃さないことです。
また、1年留年して通産省を訪問した時も、「臥薪嘗胆だな」とか「面白い視点だ」とか、妙にこちらに同調してくれた思い出があります。これも農林水産省のようなサインと考えることができます。

皆さんは自分ばっかりで精一杯だと思いますが、相手がどう自分を見てるかという点にも着目して、相手からの好意を見抜くようにして下さい。
ただ、その場で見抜くのは難しくて、面接が終わって気がついてみると、そうだったかなと思うものなのでしょう。
私の農林水産省とか通産省の場合も、その場では気づけませんでした。

 

【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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