役所、実務でよく使われる用語です。
サブはサブスタンスの略。実質、中身くらいの意味。外務省の文脈で言うと、首脳会談があるとして、首脳会談で日本の総理が何を言うかとか、どういう方針で会談に臨むかというのが、サブです。
ロジはロジスティックスの略。兵站の意味。首脳会談の例だと、総理の宿舎とか配車とか、会談場所の手配とか、食事のメニューとか、報道陣の対応とか、航空券の手配、交通手段の手配等、その他諸々がロジに位置づけられます。
外務省の仕事だと、サブがメインという感じがするのですが、感覚で言うと、サブをするのは課長、局長以上という感じです。キャリアで入省しても40代初頭までは、ひたすらロジが仕事の主要部分です。
ロジは言ってみれば、旅行会社みたいな仕事です。霞ヶ関の人は、「外務省は霞ヶ関のJTBだ」と言ったりします。(JTBを旅行業の代表として言っています、他意は無いです)。私も外務省に入って、ロジの仕事をやらされて、「俺はJTBに入社したんじゃない」と何度も思いました。
ただ、ロジの仕事で、綿密に事前に用意を周到にしておくという姿勢が、その後のサブにも活かされるというのが、私はわかっていませんでした。ロジのできる人は、サブもできるのです。言い換えれば、ロジもできない人に、サブは任せられないのです。
皆さんの入庁される役所でも、ロジとサブはあります(ロジ、サブと言うかは別にして)。ただ、ロジをやらされても腐らないように。必ず、将来のサブに活きます。
今は改善されたと思いますが、私が役所にいた頃は、病的にロジを詰めていた時期でありました。とにかく、何でも紙になっていなければいけない、どんな小さなイベントも紙にせよ、という風潮がありました。そこまで、ロジで詰めるのもどうかなと、個人的には思いました。
私のいた課の優秀な上司も、何でもかんでも紙にするロジの作業中に、イギリスは紙で詰めるのでなく、首相もフラっと首相車両に乗りに来るよと、私の課の作業に呆れて言っていました。
民間の会社でも、ロジとサブはあるみたいですね。日本人はロジが好きなんでしょうか。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)