私は経済学部ではありませんでしたが、経済原論を独学して、国Iの経済職の1次を2年連続通過しました。また、19年間、教養科目の経済を担当してきました。その経験から言える3つのコツです。
1.テキストの図表を大切に、できれば、いちいち書く。
テキストにある図表は、できたら(広告の裏等でよいので)一つ、一つ、書き写しながら読んでください。
右下がりの需要曲線、IS曲線、右上がりの供給曲線、LM曲線が図示されていますが、そういうのを見ているだけでは、問題は解けないです。
A点とB点が対応していると図表で説明されていても、そのA点とB点の対応は、実際に自分で書き写さないとよくわからないでしょう。実際に書き写しながら読まないと1枚1枚の図表の意味が理解できないでしょう。
実際のところ、私はここまでしました。
一つ一つの図表の意味を、自分の手を動かしながら納得して勉強するようにして下さい。
問題を解いて困ったときに、自分で図を書いて考えるようになれればしめたものです。
その意味でも、書き写しながらテキストを読むのがよいでしょう。
2.とにかくまとめて勉強すること
経済理論というのは、一つの大きな塊です。
この全体像を把握するためには、なるべく時間をまとめて使った方が得策だと考えます。
極端な例えを言うと、1日1時間経済の勉強をするより、日曜日に7時間勉強した方が「効率的」な勉強が可能になると考えます。
というのも一つ一つの話が相互に連関し合っているので、1日1時間ペースだと毎日復習に30分かかって、30分しか新しいことに進めなかったという、非効率的な時間配分に陥る可能性があるのです。ただし、経済の計算の練習は一種のスポーツみたいなものですから、これは毎日勉強する必要があります。
計算は毎日取り組み理論面を週1日まとめて勉強するというパターンをお勧めします。
私も学生時代に、夜遅くまで1日かかって、比較静学からヘクシャー=オリーン・モデル(国際貿易)まで、紙にまとめて勉強して(俗に言うメモリーツリー)、経済がつかめました。
3.わからないことはわかる人に質問すること
(=経済の疑問は自分ではなかなか解決できない)
経済の難しさの一つの原因は、わからなくなる(=はまる)ポイントが一人ひとりで見事に違うというところにあると思います。
はまるポイントがみな同じなら、講師が予め先回りすればいいので、これはラクな科目なのです。しかし、こと経済に限って言うとそうではなさそうです。
疑問点が一人ひとり違うのですから、個別指導の形で質問して解決するしかないのです。
実は、疑問点を見つけること自体が一つのよい勉強法なのです。ややこしい言い方をしますと、何がわからないのかがわかれば、わかったのも同然なのです。
大学の教授や先輩に、思い切って質問するのもいいでしょう。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)