「全体合格点主義と部分満点主義」~元公務員講師のコラム~

私は将棋が好きですが、囲碁にも興味があります。

将棋はとにかく玉を動かさなくすれば勝てるゲームですが、囲碁はそもそもその領土を取るべきかどうかという判断があって、狭い領土にこだわるあまり、広い領土を失ってしまうということがあるゲーム(みたいです、よく知りませんm(__)m)。

試験でも全体の合格点を取らなければいけません。その意味では、合格点は玉です。しかし、その合格点に至る過程において、いろいろな科目と配点が存在し、「そもそもその点数(=科目)を取るべきか」という問題を考えなければなりません。
その意味で、私は囲碁はよく知りませんし、将棋も少ししか知りませんが、公務員試験は囲碁的でもあるし、将棋的でもあると言えます。
公務員試験にはいろいろな科目があって、配点もまちまちだということは、みなさんよくご存じなはずです。

数的処理、経済原論のように配点の大きな科目もあれば、文学・芸術、労働法のように1~2問しか出ない科目もあります。人文科学、社会科学、自然科学、商法、刑法、労働法、経営学、行政系科目等を勉強する際に気をつけなければならないことは、全体の中での部分という側面を忘れてその科目に没頭してはいけない、ということです。
特に経営学は国家一般職では毎年過去問だけでは対処できない問題が「頻出」し、ネタ本は大学教授の本であると言われています。経営学で高得点を取りたくて、学者の本に手を出したくなる気持ちはよくわかります。しかし、そこで踏みとどまって欲しい。そうです。経営学も全体の中のほんの一部分に過ぎないことを思い出して欲しい。
部分満点主義に陥ってはいけない。

あくまで50問全体で合格点を取ることが絶対の試験の目標だ。その意味で、これが玉だ。
学内講座や公務員試験予備校で勉強する場合、先生は各科目の先生であって、合格点全体を考えて教える先生は事実上あまりいらっしゃらない、というかそれは、受験生の無いものねだり、不可能です。
合格点全体を考えるのは、「あなた」しかいない。

これは経営学だけでなく、公務員試験各科目に言えることです。
たとえ、数的処理、経済原論のような超重要科目であっても、それだけ勉強して合格できるわけではない。各科目のバランスが大事。
皿回しをするが如く、数的処理、経済原論、法律科目、行政系科目、文章理解、一般知識の各科目の皿に適宜スピードを加えていって落ちないようにし、常に全部の皿が回っているようにしなければならない。これが全体合格点主義だ。

さらには、択一試験の勉強ばかりするのでなく、教養論文や専門論文の対策もしなければいけないし、何と言っても面接試験の準備も択一試験の勉強と並行して準備するくらいで丁度いいくらいですし、集団討論も対策が必要です。
全体合格点主義は択一試験だけじゃなくて、面接試験まで含めた試験全体についても言えることです。

繰り返しになりますが、完璧な準備は不可能、しかし入念な準備は可能です。
入念な準備の際には、部分満点主義ではなく全体合格点主義で考えるようにしたいです。

 

【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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