「過去問が目的、テキストは手段」~元公務員講師のコラム~

公務員試験は知識の幅の広さは日本一です。

「うなぎの蒲焼き」を作る試験があったとします。他の資格試験はこだわりの職人のうなぎの蒲焼きを作れる人が合格します。
公務員試験はそうではありません。「ファミレスのうなぎ」を作れる人が合格できるのです。

そうです。公務員試験は「うなぎの蒲焼き」も作らないといけないし、「ティラミス」も作らないといけないし、「つけ麺」もつくらないといけないし、「肉じゃが」も作らないといけないのです。

他の資格試験では、「過去問」だけでは合格できない、という人がいはります。事実そうだと思います。私が受験した試験では、行政書士試験は近年難化しているので、過去問+αの知識が必要とされているようです。

しかし、公務員試験は知識の幅が広いのです。国語、算数、数学、英語、古文、化学、物理、生物、地学、日本史、世界史、地理、思想、文学芸術、政治、経済、法律、社会、時事の教養試験、法律学、経済学、政治学、行政系科目の専門科目のマークシート科目に加え、面接試験、集団討論、論作文、こんな試験は、日本には類を見ません。

現実、合格者でも過去問、全分野が100%こなせる人はいないかもしれません。

例えば、ソクラテスが今の公務員試験を受験しても(哲学は100点満点!)、ソクラテスの面接とか、「奥さんにいじめられて」とか言って、面接官に「この人はちょっと…」と思われるかもしれません。橋下徹さんは集団討論はバッチリ(最強のディベーター)、しかし、魔方陣の問題とかn進法の問題とか(たぶん解かはるやろうけど)、案外苦戦されるかもしれません。

テキストは過去問をこなすための補助線、手段にすぎません。
目的は過去問です。過去問が全部わかれば、公務員試験の対策は終了です。

直前期は時間がありません。まずは過去問です。1冊過去問が終わったら、他の問題集に手を出すのではなく、「他の科目の過去問」を勉強しましょう。
普通は、過去問をこなしているうちに、本試験の日がやってくるでしょう。

過去問が目的、テキストは手段です!。
ゆめゆめテキストやレジュメ中心になっていないか、自分の勉強を省みましょう。

 

 

【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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