「1日何時間くらい勉強したらよいだろうか」と質問に来る人がよくいます。人や状況、試験までの時期により、正解は様々なので一概には言えません。
ただ、できるだけ勉強に時間を割くに越したことはありません。特に専門科目の勉強も必要とされる試験種ならば、教養のみの方に比べて単純に2倍勉強しなければいけません。
冒頭の質問をされる方は、たぶん勉強時間の確保に苦労されているのでしょう。勉強はできるだけ、「歯磨き」のように習慣化しておくことが望ましいです。
私は朝にこの原稿を書いたり、授業の準備をすることが多いです。深夜に無理して起きるよりは、もうアラフィフで、朝早く自然と目が覚めるので、朝に仕事をこなすことが自分のリズムになってしまいました。
皆さんも私のように早起きするのが難しければ、深夜でもいいので、この時間は必ず勉強するという時間を作っておくことが、勉強を長い目で見れば大事です。
時間のけじめとともに、場所のけじめというのもあるでしょう。私が公務員受験生のころは、下宿から電車に乗って、毎日予備校の自習室に「通勤」したものでした。場所が変われば集中力が出ることもあるでしょう。
自宅ではどうしても勉強できないという方も、予備校や民間経営の自習室、大学・公立の図書館、近くのファミレスやカフェ等を探して、集中できる場所を確保すべきです。
また、ちょっとしたすきま時間に勉強することも習慣化しておくと、合格につながりやすいです。電車の中ならば、立ちながら軽く見れるように暗記用のカードを作ったり、席に座れたら過去問を解いたり、家事の合間に講義の音声を聞く等、シチュエーションに応じて何をするか、教材の準備等をしておくことが必要です。
教材の準備は純粋に言うと勉強時間ではないので、好きなテレビ等を見ながら片手間に作業するくらいで丁度いいくらいです。
習慣化に関連して言えば、択一試験の勉強の合間に、時事や教養論文の知識をインプットしたり、面接の自己PRと志望動機を考えることも普段の勉強のリフレッシュにもなるし、もちろん試験の点数アップにもつながるので、是非取り入れて欲しいです。
公務員試験の筆記試験はあくまで面接試験を受ける通過点に過ぎないのであって、面接試験こそが公務員試験の本丸なので、できるだけ早い時期から自己PRと志望動機は考えておくべきです。
時事のインプットや面接対策は純粋な休憩時間ではありませんが、目先を変えるという意味では休憩と同じ意味があるので、賢く自分を騙しながら、勉強時間を確保して欲しいです。
歯磨きをしない人は普通いません。勉強も、歯磨きのレベルに習慣化しましょう。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)