先の記事の続編です。
何かを得ようと思って試験を受ける限り、緊張や不安やプレッシャーは、常につきまとうものだと記しました。
解決は難しくても、解消の方向には向かいたい。
どうやって、緊張・不安・プレッシャーを解消すればいいでしょうか。
当コラムでも以前書いたことですが、予定説+ルーティーンという組合せを推奨します。
予定説というのは、世界史の宗教改革のカルヴァンが唱えた考え方です。
自分が救済されるかどうかは神様の手帳に書いてあることであって、予定されている。
自分が本当に神の国に生まれ変われるのだろうかということに心を奪われることなく、日常の仕事に打ち込みなさい。
これが予定説の考え方です。
予定説の優れているところは、これを信じると本当に仕事で成功して、経済的に成功できるという点にあります。
今日のプロテスタント(=新教徒)に予定説が広まっているのも、予定説という考え方自体が、優れていると言うか、経済的に実用的だからです。
ウェーバーが「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で著したとおり、予定説=プロテスタンティズムを採用したイギリス、ドイツ、アメリカ合衆国は経済的に栄えました。
皆さんも、「公務員試験に合格するだろうか」、不安になります。
皆さんの公務員試験合格は神様の手帳に書かれていることであり、予定されているのです。
力強く、そう信じましょう。
そして、毎日の勉強にいそしめば、本当に合格します。
キリスト教徒以外の方も、予定説のエッセンスは採用可能だと思いますから、合格は予定されていると信じましょう。
もう一つはルーティーンです。
模擬試験の時から、お昼ご飯を何を食べるのかとか、試験15分前に何をするのかとか、自分の行動を決めておいて、その通りに本試験も過ごして下さい。
験担ぎに近いものになるかもしれませんが、人間は習慣の動物です。
こうすると落ち着くというルーティーンを、模擬試験の段階から見つけておいて下さい。
それを本試験でも行うのです。
予定説とルーティーンの組合せでメンタル面の負荷に対処しようというのが、本日の言いたいことです。
なるほどなと思われた方は、お試し下さい。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)