「模試活用の勧め」~元公務員講師のコラム~

模試の活用も、勉強のスケジュールを考える上において、考慮してください。
模試には3つの意味合いがあります。

○本試験のシミュレーション
○2時間、50問の問題群の処理を体感する
○自分の弱点の把握

本試験のシミュレーションというのは、ちょっと前の話になりますが、大学入学共通テストでも鼻からマスクを外した受験生がいて、教室が騒々しかったという事件がありました。
不測の事態をできるだけ体験しておくという意味です。
昔の司法試験の択一試験でも、会場の大学の隣でガス爆発が起きて、マスコミの取材でヘリコプターが飛んできたり、消防車がサイレンを鳴らす等、とてもではないですが試験ができる状況ではなくなった場合があったそうです。
一説には、その会場の合格率は低かったそうです。
模試を受ける時にも、うるさそうな人の隣に座るとか、最前列に座るとか、日差しのまぶしい席に座るとか、わざと悪条件の席で受けて下さい。

問題群の処理の体感というのは、普段の過去問の演習は1問解いて1問解説を読むという、点と点の処理です。
一方、模試では50問の問題群をよいしょっと右から左に移すという、面と面の処理が求められます。
50問を均一に相手するのではなく、これは難問だから飛ばそうとか、時間をかけてでも解こうとか、全体で如何に合格点を取るかを体験することができます。

自分の弱点の把握というのは、全体の正解率が70%以上で自分が間違えた問題、そこが弱点です。
この問題を復習するために模試を受験すると言っても、過言ではありません。
全部の問題を復習する受験生もいますが、化学や物理とかの正答率10%の問題の復習とかは、ほとんど意味がありません。
解説のレジュメをさらっと見ておけばいいです。

模試は学内講座やコースに付属している場合もありますが、対外試合をしましょう。
LEC、TAC、東アカ、産経、実務教育出版等の模試がお勧めです。
検索すれば、出てくるでしょう。
論文添削付きの模試を受験すれば、論文を添削してもらえる貴重な機会にもなります。

 


【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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