役所には職場の異動はつきものです。
異動の度に転職と称されるくらい、職務の内容が変わってしまうのが公務員です。
公務員においては、たとえ配属1日目でも、そこに2年いますよと見られるように仕事をするのが大事です。
配属1日目でも2年目のふりをせよ、です。
私が初めの課に配属されて2ヶ月経った頃に、通産省(当時)のカウンターパートの課(仕事相手の課)と親睦の食事会がありました。その時に、私の課の上司が「中島君はうちの課に3年いるみたいな顔で仕事してますよ」と、通産省の人に言ってました。これは、一種の褒め言葉です(なのかな?)。
しかし、どうやって配属1日目で、2年目みたいなふりができるのでしょうか?。公務員の仕事は非常に多様です。どうやって間口の広さをフォローしていくのでしょうか?。
官庁訪問で会った通産省の課長補佐がコツを教えてくれました。
私が「幅広い通産省の仕事をどうやってフォローするのか」と聞いたら、その課長補佐は「どこの課も国会答弁用の想定問答集を作っている。それを読むと、その課の業務とか中心の仕事がよくわかる」と答えてくれました。
なるほどな、と思いました。国会答弁用の想定問答集は大概の課にあります。これを読めばその課のお仕事がよくわかります。想定問答集は、言わばその課の業務の「レジュメ」です。
こういうからくりがあるのね、と思いました。
公務員試験も幅が広いですが、実務も幅が広いですよ。
知的好奇心を旺盛にしていきましょう。
【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)