「公務員試験 科目の特性」~元公務員講師のコラム~

公務員試験の難しさの一つは、科目の多さにあります。
そして、勉強の計画を立てる上においては、科目の特性に目を向けなければなりません。
具体的に言うと、毎日勉強すべき科目、集中的に取り組むべき科目、短期決戦できる科目、長期戦で取り組むべき科目です。

日々の勉強の中心を、毎日勉強すべきでかつ長期戦で取り組むべき科目に据えなければなりません。
ここに分類される科目は、数的処理、経済原論(主に計算系の部分)、(やや重要性が落ちるものの)文章理解が挙げられるでしょう。
こういった科目は、手を抜くと勘が鈍ってしまう。一朝一夕では力がつかない。一夜漬けとは、程遠い科目です。

次に同じように長期戦が見込まれるものの、ある時期集中して取り組まなければならない科目があります。
ここには、法律系科目や経済系科目(経済原論の計算系以外の部分)が分類されるでしょう。
毎日コツコツも重要なのですが、法律・経済とも全体が大きな一つの塊なので、これを毎日少しずつという形にすると、なかなか全体像に迫れないという弊害が出てくるでしょう。
休日にまとめて、ミクロとマクロを一気に勉強する、というような時間配分をお勧めします。

最後は短期決戦できる科目です。模試の前にパラパラテキストを見て、直前期に一夜漬けするという時間配分にならざるを得ないでしょう。
理想を言えば毎日コツコツですが、物事には優先順位があります。一夜漬けを、引け目に思わなくてもよいです。
ここには、教養科目(人文科学、社会科学、自然科学)、行政系科目、時事問題等が位置づけられるでしょう。
ただ、全部が全部直前期だと、どこかでパンクしてしまいます。
各自の作戦に応じて、どの科目を直前期にするかが、大事になってきます。

試験当日に全ての科目をベストの状態に仕上げるように。
他の試験の先生が仰ってましたが、試験勉強の難しさは「皿回し」だと。それぞれの皿を落ちないようにうまく回して、試験当日には全ての皿が回っているようにするのだと。これは、言い得て妙だと思いました。
今から計画して、うまく作戦を立てましょう。

 

【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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