「過去問集は何冊こなすべきか」~元公務員講師のコラム~

過去問集は何冊こなすべきでしょうか。
1冊を繰り返すというのが、よく推奨される勉強方法です。
スー過去や学内講座テキスト付属の問題集等。
LECの過去問解きまくりを使っている人も多いでしょう。

基本は1冊でもいいかと思います。
ただ、例えば地方上級が第一志望だという場合は、スー過去等の過去問集に加えて、合格の500問の地方上級版も購入されて、こなしておいた方がいいかと思います。
地方上級は問題が公開されていないため、実務教育出版が受験生の再現という形で、合格の500問に問題を掲載しています。
スー過去等にも地方上級の問題は載っているのですが、不十分な科目が多いので、合格の500問は購入して下さい。
他の国家一般職や国税、裁判所事務官等が第一志望の方も準じて、該当の合格の500問は揃えておいた方がいいかと思います、

あとは、個人の作戦、状況に応じて、強化したい科目があれば、その科目はこなす過去問集を増やしてもいいです。
具体的に言えば、学内講座テキスト付属の問題集に加えて、スー過去も演習するといった具合です。
数的処理がその候補に挙がるかと思います。
特に、英語は捨てて数的処理で高得点を取りたいという方は、過去問集をどんどんこなした方がいいでしょう。
学系科目はスー過去の1冊で十分だと思います。

1冊を繰り返すというのは、繰り返しが大事だという側面が強いです。
繰り返した結果が1冊なんだと。
ただ、その問題集に入っていない過去問で重要知識が載っているというリスクはあるわけです。
スー過去でさえ、そういうリスクはあります。
そのリスクに対処するために、合格の500問で補ったりとか、2冊目の過去問集があるのです。
1冊を繰り返すので精一杯の方は、1冊のみでいいです。
余力のある方は、2冊目をこなすのも勉強になると思います。

ただし、2冊目をこなすのは、すべての科目で1冊を繰り返している、こなしているのが前提です。
1冊をこなしていない科目があるのに、2冊目に手を出すのは違います。
公務員試験は総合力勝負です。
部分満点主義ではなく、全体合格点主義です。
得意科目を作るのではなくて、苦手科目を無くしましょう。


【中島講師 プロフィール】
94年7月外務I種最終合格。国家I種経済職も1次合格していたが、外務I種合格により辞退。
外務省は4年勤務、アラビア語研修を命ぜられ、中近東第1課、エジプト大使館に勤務。諸事情により任期途中で日本に戻り人事課等に勤務。
2001年より公務員試験講師。延べ2400回の授業、24000人の学生に講義。
主な著作:「受験ジャーナル直前対策ブック 暗記科目の語呂合わせカード」、「語呂合わせで急所をチェック 公務員試験」(文芸社)

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